歯の神経が死んでしまったら
こんにちは。東京都墨田区の菊川レオン歯科クリニックです🦁
今回は、歯の神経が死んでしまった場合の治療法についてお話しします。
歯には栄養を送ってくれる血管が通った神経があり、「歯髄」と呼ばれます。歯髄は歯の硬い組織で守られていますが、さまざまな原因により、歯髄が細菌の感染を起こすことにより壊死してしまいます。
歯髄が死んでしまう原因
・歯の打撲による外傷
・神経まで到達するくらいの大きなむし歯によるもの
・いままでに治療してある歯の神経感染がおきてしまった
歯を外傷で打撲したり、むし歯でズキズキする強い痛みがあった後放置をしてしまったり、むし歯の処置後に神経感染を起こしてしまったりして、歯髄まで細菌感染が進むと、勝手に歯の神経が機能を失い痛みがなくなり歯髄が壊死します。
また、痛みもなく大きな自覚症状がなく神経が死んでしまって、歯の色が黄ばんだり黒ずんだりして色の変化で気づくことがあります。
診断方法
・レントゲンでの診断
歯髄が壊死し、歯の根の先に膿が溜まってしまうと歯根嚢胞が作られ、レントゲンを撮ると根の先に丸い影が映ります。しかし歯根嚢胞は慢性化してできるものなので、神経が壊死してすぐはレントゲンに映らず、歯髄の状態はレントゲンでは診断できません。
・歯髄診断
-20°~30°に冷たくなる歯髄診断スプレーをあてて神経が生きているか診断します。
神経の反応があればしみて痛みを感じますが、壊死してしまっている場合は、なにも感じません。
歯髄の生死の診断は非常に複雑で、一つの検査だけではすぐに判断がしにくいものです。症状や治療歴を合わせて診断します。歯髄が壊死してしまったら、歯髄を除去する方法しかありません。自然に治癒することなく、徐々に膿を広げて歯の周りの骨を溶かしていく病気のため、治療が必要です。
治療方法
①感染根管治療
感染した歯髄を除去し、きれいに洗浄し、細菌の繁殖を防ぐ薬を入れます。こちらを何度か繰り返すことにより、炎症を抑え、神経の管をきれいにします。
歯髄が入っていた歯髄腔が神経を除去することにより空洞になってしまうので、再び細菌感染を防ぐために隙間なくお薬を入れる、「根管充填」を行います。
②土台をたてる
歯に土台をたてて歯に高さを作り、被せ物をたてる準備をします。
土台にも種類があり保険は金属の土台、自由診療ではグラスファイバーの土台を使用します。土台選びは歯を長持ちさせるためにも慎重に行う必要があります。
特に前歯で金属の土台や被せ物を選択した場合、歯肉が金属の色を拾って歯茎がグレーにみえたり、「メタルタトゥー」といって金属の色が歯茎に移り黒っぽくなったりすることがあります。
③被せ物をする
神経治療を行った歯は基本的には被せ物にします。神経を取ることにより脆くなった歯を破折から守るためです。
被せ物も種類があります。メリット・デメリットを踏まえて担当医と相談し、慎重に選択することが大事です。
歯の神経が死んでしまったら、しっかりと神経の治療を行うことで歯を抜歯することから、守ることができます。神経のある歯に比べたら、寿命は短くなり再発がつきものではありますが、歯を失う前に早期治療は重要です。また神経の治療は回数がかかります。しっかりと症状がなくなるまで神経治療を行うことにより、再発のリスクを下げられます。
歯の色が変だと思ったり、歯の痛みがあったら歯科医師にご相談ください。
記事監修
菊川レオン歯科クリニック
院長 新井 一平
資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会専修医
- 日本歯科審美学会
修了コース
- Straumann Immediate & Esthetic Implantコース修了
- Straumann Overdentureコース修了