
口内フローラについて
こんにちは。菊川・森下の歯医者 菊川レオン歯科クリニックです🦁
今回は、口内フローラと良い食事についてお話しします。
皆さまは、「口内フローラ」を知っていますか?
口内フローラとは、口の中に生息する細菌や微生物の細菌集団のことを言います。
口内フローラには、善玉菌と悪玉菌が存在しています。
善玉菌
体に良い働きをしてくれる菌です。
口内フローラの善玉菌には主に以下のようなものがあります。
・乳酸菌
・口内レンサ球菌
・ロイテリ菌
悪玉菌
口腔内の悪玉菌が優勢になると、虫歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。
また、口内トラブルだけでなく、心筋梗塞や動脈硬化など全身の生活習慣病につながるおそれがあります。
口内フローラの悪玉菌には、以下のような虫歯菌や歯周病菌があります。
・ミュータンス菌
・ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.g菌)
・トレポネーマ・デンティコーラ(T.d菌)
・タネレラ・フォーサイシア(T.f菌)
なお、P.g菌、T.d菌、T.f菌は「レッドコンプレックス」と呼ばれ、口腔内に生息している細菌のうち、歯周病との関連性が最も高いとされています。
口内の悪玉菌は、歯と歯茎の境目や虫歯の穴から血管に入り込んでいくので注意が必要です。
血管に入り込んだ悪玉菌は、全身をめぐり炎症を起こすようになります。
また、悪玉菌が増えると悪玉菌の味方をしてしまう菌も存在します。
それは「日和見菌」と言って、健康状態が悪くなると暴れ出します。
肺炎菌、ブドウ球菌、大腸菌が挙げられます。
口内フローラのバランスを維持するためには、①適切な口腔ケア②口腔環境を整えるための良い食事が重要です。
①適切な口腔ケア
口腔ケアの基本となるのは、毎日の歯磨きです。
歯ブラシで歯の四面を丁寧に磨き、デンタルフロスなどの補助用具を使う事が大切です。
それに加えて舌のケアにも力を入れましょう。
殺菌作用のある唾液の量が少なくなると、悪玉菌が増える原因になるからです。
唾液の分泌を促す食べ物は、以下のようなものがおすすめです。
・昆布
うまみ成分と呼ばれるグルタミン酸が含まれています。
グルタミン酸は、味を感じる味蕾(みらい)と呼ばれる細胞を刺激して唾液を分泌させる効果があります。
・ガム、するめ、ドライフルーツなどのかたいもの
かたい食べ物は咀嚼回数を増やし、顎を動かすことによって唾液を分泌させます。
・梅干しやレモンなどの酸っぱいもの
味覚・唾液反射と呼ばれる反射性の唾液分泌が起こります。
酸っぱい味は、腐っていたり、毒性の強い食べ物に含まれている事が多く、口に入れると危険な食べ物だと脳が判断し、唾液で毒を洗い流そうとします。
このメカニズムがあり、酸っぱいものを食べると唾液が多く分泌されます。
② 口腔環境を整えるための良い食事
口腔環境を整えるために、食材選び重要です。
・牛乳、緑茶や紅茶を飲む
歯に良い飲み物は、カルシウム、カテキン、フッ素などの成分が含まれている飲み物です。
緑茶や紅茶には、虫歯菌の酸の生成を抑制する作用があります。
さらに歯を再石灰化させるフッ素も含まれているので、口腔環境を整える事ができます。
・青魚やくるみ
青魚やくるみにはオメガ3脂肪酸が含まれています。
オメガ3脂肪酸は、壊れた細胞を修復する働きもあり、歯周病予防にも注目されている成分です。
・玄米や雑穀米などの食物繊維が豊富なもの
食物繊維が豊富な食べ物は、噛む回数を増やし、唾液の分泌を促します。
また、糖質が少なく、虫歯の原因となる悪玉菌を増やしにくい食材でもあります。
・キシリトールを取り入れる
キシリトールは虫歯予防に効果的です。
歯垢の酸を中和して、虫歯菌であるミュータンス菌の活動を弱める働きがあります。
また、唾液の分泌を促し、再石灰化を促す働きもあります。
毎日のお口のケアに力を入れるとともに、口内フローラを整える食生活を意識し、健康な口内環境を目指しましょう。

記事監修
菊川レオン歯科クリニック
院長 新井 一平
資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会JSOI専修医
- 日本歯科先端技術研究所認定医
- 日本歯科審美学会
修了コース
- Straumann Immediate & Esthetic Implantコース修了
- Straumann Overdentureコース修了