歯根破折とは
こんにちは。東京都墨田区の菊川レオン歯科クリニックです🦁
今回は、歯根破折についてお話しいたします。
歯根破折とは
歯の根の部分が何かしらの原因で折れたり、ヒビが入ったりしてしまうことです。歯の根の部分は歯茎の中に埋まっているため、目視では確認することは難しいため、レントゲンで診断します。また2次元のパノラマ写真で確認できない場合は、CTで3次元的に確認することがあります。
診断は非常に難しく、症状と合わせて診断したり、被せ物や土台を取って目視の上で診断したりすることがあります。歯茎の中の部分を治療することは困難であり、予後不良が見込まれるため、抜歯をすることが多くあります。
歯根破折のほとんどは歯の神経を取ったところに起きやすいですが、神経のある歯も起こりえます。
歯根破折の症状
・ズキズキ痛い
・歯茎が腫れる・膿が出る
・咬んで違和感がある
・根の治療がなかなか治らない
歯根破折の原因
・歯ぎしりや食いしばりによる咬合によるもの
・転んだり、ぶつけたりする外傷によるもの
歯根破折の歯の治療法
・抜歯する
歯の根の部分が割れると細菌が入り込み、膿を作り出します。膿んでいる歯を放置すると自然に治癒はしないため、周りの骨を溶かしながら膿を大きくしていきます。
抜歯する際に膿も一緒に除去すると、症状はなくなり溶けた骨が完全ではありませんが再生します。
抜歯して無くなった歯をインプラント、ブリッジ、義歯などで補います。
・歯周外科処置(クラウンレングスリング)
歯茎の中に埋まっている歯根部の割れてしまったところまで外科的に歯肉を下げ、歯茎の上に根の部分を出して治療をする方法です。土台を立て直し、被せ物をします。
・エクストリュージョン
歯を上に矯正的に引っ張り出し、歯茎の中の割れてしまった歯根部を歯茎の上に出して治療する方法です。土台を立て、被せ物治療をします。
・経過観察する
噛み合わせの調整や、投薬治療により症状を一時的に緩和することがあります。
根本的な治療ではないため、また腫れをくりかえしたり、膿んだりしますが、一時的に症状を抑えることができます。
根の部分の割れた状態により治療法が変わるため、担当医とよく相談をし、納得したうえで治療を進めることが重要です。
歯を失う前にできること
・神経処置の後の土台選びは慎重に
歯の神経を取ると、歯に栄養を送ってくれる血管も一緒に除去するので歯が脆くなります。神経処置の後は歯に土台を立て、被せ物をすることが多いですが、土台で従来の金属の土台を使用すると、歯よりも金属が硬いため、杭のようになり歯が割れやすくなります。
土台にも種類があり、グラスファイバーの土台を立てるとしなりがあるので、歯は割れにくくなります。
・歯ぎしり食いしばりから守る
歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちに行ってしまいます。40~60㎏もの力がかかるといわれているので、根の治療したところや、何度も治療している歯の脆いところが割れる原因になります。日中の安静時は、唇は閉じ、歯が接触しない状態を意識をし、夜間はマウスピースで歯を守りましょう。
・けがによる外傷から守る
スポーツ用のマウスピースを着用することで、衝撃から守ることができます。
・定期検診に行く
小さな違和感を早めに相談し、早期発見、治療するために定期検診へ行きましょう。
記事監修
菊川レオン歯科クリニック
院長 新井 一平
資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会専修医
- 日本歯科審美学会
修了コース
- Straumann Immediate & Esthetic Implantコース修了
- Straumann Overdentureコース修了