舌に異常を感じたら
こんにちは。東京都墨田区の菊川レオン歯科クリニックです🦁
今回は、舌の異常についてお話しします。
舌は味覚を感じる最大の器官であり、食べ物を飲み込む大きさや温度を感じ取るセンサーの役割もあります。また発語する際に音を生み出す大きな役割を担っています。
健康な舌はピンク色で、適度に湿潤しています。目でみてわかる場所なので歯磨きの際に観察してみましょう。
舌の清掃方法に関しては過去のコラム【舌のケアについて】に詳しく記載しております。
・舌の全体に白いぶつぶつがある
これは糸状乳頭です。異常ではありません。舌がざらざらしている理由はこの乳頭のおかげです!この糸状乳頭には味蕾が存在せず、食べ物をなめとる働きがあります。特に猫ちゃんの糸状乳頭が発達しています!
・舌に口内炎ができた
口内炎と舌癌は初期の症状はよく似ています。舌の表面にできることは少なく、側面にできることが多いです。口内炎は2週間程度で消退しますが、舌癌は消退しません。なかなか治らないなと思ったら、担当医へ相談しましょう。
・舌の表面が白い
舌の表面には舌苔と呼ばれる汚れが存在します。舌苔は細菌や食べかす、白血球などの死骸が集まったものです。1日1回やさしく奥から手前へ舌を磨きましょう。舌苔がたまってしまうと味覚異常や、口臭、むし歯や歯周病の原因にもなります。
痛みや味覚障害を伴うときは口腔カンジダ症が疑われます。もともと口腔内にいるカビの一種の真菌が、免疫力や抵抗力が低下した際に、カンジダ菌が増加し、発症します。こすったら剥離するのが特徴です。治療には抗真菌剤の飲み薬や、うがい薬を用います。
・舌の表面が黒い
カンジダ症の影響で、舌に毛が生えたように見える黒毛舌になることがあります。抗生物質の長期使用、免疫低下などにより、糸状乳頭にカンジダ菌と血液中のヘモグロビンが結び付き黒く見えます。また、長期的な喫煙により、ニコチンが舌の粘膜に付着し、黒く変色させてしまうこともあります。適切な口腔ケアと口腔細菌のバランスをとることが重要です。
・舌の溝が深い・ひび割れている
溝状舌とよばれる舌の状態です。先天性・後天性どちらの場合もありますが、異常ではありません。後天性の原因としては、口腔乾燥症や全身疾患、ビタミンの欠乏、舌炎によって引き起こされることがあります。溝が深いことで汚れや細菌がたまりやすくなるので、適切な口腔ケアが不可欠です。
・舌のふちがデコボコしている
歯ぎしりや食いしばりが原因で起こります。噛み締めた際に、舌にも力が入り、舌のふちに歯の跡がつきます。これは圧痕と呼ばれ、異常ではありませんが、歯ぎしりや食いしばりは、歯周病にも大きくかかわりますので、一度舌のふちをチェックしてみてください。
・舌に赤や白の斑点がある
刺激で痛みを伴うことが多く、こすっても剥離せず、がんの前の段階の前癌病変であることがあります。そのまま放置していくと潰瘍を形成し痛みを伴うことが多くあります。進行すると舌がんになる場合があります。早めに担当医へご相談ください。
舌の病気で怖いのが舌がんです。口腔癌の半数以上を占める舌がんは発生頻度の高いがんです。50〜70歳代の男性に多く、過度の飲酒、喫煙、口腔清掃不良などで引き起こされるのではないかと言われています。また、合わない被せものや、義歯の長期的な刺激も原因の一つと言われています。
早期発見により生存率を上げることができます。日々のセルフチェックに加え、定期健診も重要です。また、異常を感じたら放置せず担当歯科医にご相談ください!
記事監修
菊川レオン歯科クリニック
院長 新井 一平
資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会専修医
- 日本歯科審美学会
修了コース
- Straumann Immediate & Esthetic Implantコース修了
- Straumann Overdentureコース修了