MTAセメントについて
こんにちは。東京都墨田区の菊川レオン歯科クリニックです🦁
今回は、MTAセメントについてお話しします。
MTAセメントとは
優れた生体親和性をもち、辺縁封鎖性が優れている水硬化性の強アルカリのセメントです。歯の神経である歯髄を保護したり、軽度の歯のヒビをうめたり、根の治療で使用したりするセメントです。二酸化ビスマス・ケイ酸二カルシウム・ケイ酸三カルシウム・石膏などの成分で作られています。
MTAセメントの特徴
・水硬化性であること
お口の中は血液や唾液など湿潤状態でしっかりと硬化するのが難しい環境です。MTAセメントは歯の神経付近に使用するセメントで、湿潤した環境下でも硬化にすぐれています。
・殺菌効果がある
MTAセメントは、水分で硬化する際にセメントが水と反応し水酸化カルシウムを生成し、pH12の強アルカリ性で細菌増殖を抑制し、殺菌効果があります。ほとんどの細菌はpH9を超えると死滅すると言われています。
・封鎖性が良い
MTAセメントが硬化する際にセメントが膨張するので辺縁の封鎖性がよく、細菌感染を起こしにくくします。さらに硬化後も安定していて長期的な封鎖に向いています。
・デンティンブリッジ(歯の保護層)を形成する
MTAセメントを塗布したところに、保護層を形成し、歯髄を被覆し保護し、痛みや感染から守ります。
適応
・大きなむし歯治療後の神経の保護
・歯の根の部分の軽度なヒビが入っている場合のリペア
・神経に感染が起きていない場合
歯の神経まで達する大きなむし歯の場合、神経を除去しないと感染が進み、歯の周りの骨まで膿が溶かしてしまうため、神経を除去する抜髄という処置になります。
自由診療の詰め物や被せ物を選択していただいた方で、歯髄まで感染が認められない大きなむし歯の場合、歯髄の保存療法としてMTAセメントを用いる場合があります。
なるべく神経を残す治療を行ううえで、さまざまなメリットがあるMTAセメントはとても有効的な歯科材料です。
MTAセメントは保険外の治療になるので、ぜひご興味ある方は、担当医にご相談ください。
記事監修
菊川レオン歯科クリニック
院長 新井 一平
資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会専修医
- 日本歯科審美学会
修了コース
- Straumann Immediate & Esthetic Implantコース修了
- Straumann Overdentureコース修了